全室オーシャンビュー&露天風呂付きで、瀬戸内海の絶景を楽しめる大人限定のおこもり宿。
鞆の浦の名物である鯛料理に舌鼓を打ったり、常夜燈まで夜道を散歩したり、夫婦やカップルでゆっくり過ごしたい方にオススメです。姉妹館の大浴場も利用できます。
汀邸 遠音近音 宿泊記(口コミ)
外観・館内

数年前からお気に入りに登録していた旅館『汀邸 遠音近音』にやっと泊まりに行けました!
敷地内に駐車場が無いため、近隣にある姉妹館『鴎風亭』に車を停めて送迎してもらいます。
風情のあるエントランスは、江戸時代の建物をリノベーションしたそうです。

玄関を入ってすぐに「リラクゼーションラウンジ坐忘」があり、滞在中はこちらで厳選されたドリンクやスナック類を自由に楽しむことができます。

写真には写っていませんが、生ビールのサーバーもありました。お酒好きの方には堪らないサービスかも?
渡り廊下を進んだ先に、

こじんまりとしたロビーラウンジがあります。

瀬戸内海に浮かぶ仙酔島をピクチャーウィンドウ越しにゆったり眺めながら、ウェルカムドリンクとお菓子を頂きました。
この仙酔島にはすぐ隣の遊覧船乗り場から行くことができるそうです。仙人も酔ってしまうほど美しい島、次回は行ってみたいなぁ。

お土産コーナーに旅館オリジナルの可愛い木製コースターがあり、猫好きの友人へ贈りました。
ロビーラウンジの奥にある扉を開けると、デッキテラスが広がっています。

ソファー席に腰かけて、穏やかな波の表情や海鳥たちをぼーっと見つめていたら、何だかとても癒やされました。
こういう「何もしない時間」ってすごく贅沢ですね。人生に必要な時間。
部屋

今回は最も安い「スタンダードツイン」に宿泊しました。
本当はちょっと奮発して「アッパースイートルーム」に泊まりたかったのですが、直前に予約したため、こちらの1室しか空いておらず。
でもこの広さで充分快適だったので、結果オーライです。

ミニバーには、旅館オリジナルの手挽きコーヒーが置いてありました。その横には抹茶チョコレートも。
冷蔵庫内のドリンクは全て無料で、ミネラルウォーター、炭酸水(ペリエ)、烏龍茶、炭酸飲料など、数種類入っていました。
早速、飲み物を片手にウッドデッキでのんびり寛ぎます。

うーん、狭いけどいい眺め!
瀬戸内海は小さな島々が遠くに見えて、海の広さを感じられるのが実にいい。

いつか海が見える場所に住みたいと思っている私は、「毎日この景色が見えたら」と妄想しました。
翌日はここから朝日も楽しめます。

なんて美しいんだ・・!
と眠気も忘れて朝焼けの空にうっとり。早起きする価値あり、です。
客室露天風呂に移動して、温泉に入りながら徐々に明るくなっていく空を眺めていました。
部屋のすぐ下に釣りスポットや遊覧船乗り場があり、観光客で終日賑やかだったこと。
おこもりステイで静かに過ごしたい方にとってはマイナスポイントかもしれません。
あと鳩が何度も侵入してきて、その度に糞害がありました。対策できればなぁ。
客室露天風呂

ウッドデッキには扉と木枠に囲まれた、客室露天風呂があります。
滞在中いつでも好きな時に温泉にどっぷり浸かることができる幸せ。温泉好きには堪りません。
ただ、木枠がせっかくの景観を邪魔してしまって少し残念でした。でも扉で隠さないと遊覧船から丸見えになりそうで不安というジレンマ。

洗面所とシャワールームはこんな感じ。
アメニティーのシャンプー&コンディショナーがロクシタンで嬉しかったです。
館内着として使える浴衣と、就寝時用のパジャマが用意されていました。浴衣で眠ると翌朝必ず半裸になってしまう民としては有り難いサービスです。

- クレンジング、洗顔フォーム
- 化粧水、乳液
- シャンプー類
- 浴衣、パジャマ
- バスタオル、フェイスタオル
- バスローブ
- 歯磨きセット、ブラシ、カミソリ
- シャワーキャップ、ヘアゴム、綿棒、コットン
- ドライヤー
- ティッシュetc
貸切露天風呂

汀邸 遠音近音に大浴場はありませんが、無料の貸切露天風呂が2ヵ所あります。
奥の窓を開ければ、瀬戸内海の絶景を独り占め。私が宿泊した時は、先着順で利用する時間帯を選べました。(1組45分間)
ちなみに2024年12月下旬にリニューアル予定だそうです。

近隣にある姉妹館の大浴場

近隣にある姉妹館の『鴎風亭』や『景勝館漣亭
』の大浴場も利用可能で、私はどちらも入浴しました。
特に『鴎風亭』の屋上露天風呂が開放感抜群でオススメです!
ただし、冬季は閉鎖しているそうなのでご注意を。(大浴場は年中利用可能)

フロントにお願いすれば車で送迎してもらえますが、風呂上がりに夜道を散歩するのも楽しいですよ。
そのまま常夜燈まで歩いてみるのもいいかもしれません。
夕食・朝食
◆夕食

スタンダードツインの場合、夕食も朝食も「ダイニング颯」になります。
どの席からもオーシャンビューが楽しめるように設計されているそうで、あまり当たり外れが無いように思いました。秋冬の夜は何も見えないけど・・。

まずは冷菜。蛸湯引きの梅肉酢味噌和えと、広島菜巻きや牡蠣にしそジュレをかけたもの。
広島菜=野沢菜を品種改良した青菜の漬物のことで、これに酢飯をのせ、刻んだ広島菜を芯にして巻いたものが「広島菜巻き」です。

温物は、ごぼう饅頭のクレソンあんかけ。煮穴子と一緒にいただきます。
まろやかな口当たりのやさし~い味でした。散らし菊が美しいなぁ。

御造りは、鞆の浦の名物である鯛、太刀魚、赤西貝など。舌の上でその新鮮さを実感しました。
左奥で揺らめく灯りは、桂むきした大根と紅葉で作られたもの。風情がありますね。

醤油皿の右には「薔薇塩」、真ん中には「ハーブオイル」、左には「透明醤油」がそれぞれ入っています。
透明醤油は初めて見ましたが、透明なのにしっかり醤油の味がしてビックリ!あっさりした味わいでした。

続いては、きのこ鍋で鯛をしゃぶしゃぶ。お好みでポン酢をつけて。

「鯛はそのまま生で食べた方が美味しいなぁ」と思ったのは内緒です(笑)。

酢の物は、オコゼ、鱧、ムール貝の南蛮漬け。
かぼすのジュレが酸味を更に引き立てて美味しかったなぁ。トリュフオイルもかかっていました。

肉料理は、和風ローストビーフ&一口サイズの鯛カツバーガー。
鯛を揚げてバーガーの具にするなんて新鮮な発想!サクッとした衣とホクホクの身が好相性でした。
柿の天ぷら×スイートコーンソースの組み合わせも意外性があってよかったです。
〆は、『汀邸 遠音近音』名物・鯛の釜飯。

ご飯の上で鯛が泳いどる・・!
鯛の釜飯は淡白な味わいのものが多い印象でしたが、こちらは鯛の旨味をしっかりと感じられました。
途中からはお茶漬けにして、さっぱりといただきます。

こりゃ何杯でもいける!!
するすると口に運んで、あっという間に平らげてしまいました。

デザートは、梨のコンポートゼリー寄せ&モンブラン最中。鯛の形をしていて可愛かったです。
ワクワク感のある料理が多く、楽しくて美味しいひとときでした。
◆朝食

朝食は「和食」or「洋食」を選ぶことができ、私は和食にしました。
夕食と比較すると全体的に地味な印象ですが、どれも美味しかったです。はっさくジュースや牛乳などが置かれたセルフコーナーもありました。
どうやら洋食にすると数種類のパンが食べ放題だったようで、「洋食にすればよかった・・!」と少し後悔しました。ちなみに和食もご飯おかわり自由です。
汀邸 遠音近音の周辺観光情報

旅館から徒歩7分くらいで、鞆の浦の有名な観光スポット「常夜燈」へ行けます。
その道中には前回の記事でご紹介した、宮崎駿監督デザインの古民家レストランも。

鞆の浦は右を向いても左を向いても歴史を感じる建物ばかりで、裏通りをのんびり歩いているだけでもかなり楽しめます。
街並みを楽しんだ後は、ぜひ「福山市 鞆の浦 歴史民俗資料館(鞆城跡)」まで足を運んでみて下さい。

高台から鞆の浦をぐるっと一望できます。
港町の風景が大好きな私。思い出の地・真鶴にもどこか似ている気がして、しばし郷愁に浸りました。
その他、医王寺などの神社仏閣をいくつか回ってみたり、フェリーに乗って仙酔島へ行き、遊歩道を散策するのもありだと思います。
汀邸 遠音近音のオススメ度

- 料金:★★★(1泊約3万円で価格相応)
- 眺望:★★★★★(全室オーシャンビュー)
- 館内:★★★★(和モダンな雰囲気が◎)
- 部屋:★★★★(狭いけどキレイで寛げる)
- 客室露天風呂:★★★(木枠が景観の邪魔かも、鳩の糞害が気になる)
- 大浴場:なし(姉妹館の大浴場が利用可能なので★4)
- 夕食:★★★★(ワクワク感があって美味しかった)
- 朝食:★★★
- 接客サービス:★★★★★(高級旅館っぽくないが丁寧)
- その他:常夜燈まで徒歩圏内なので★★★★
総合:3.9点(5点満点中)
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今回泊まった部屋は、1人あたり1泊約3万円で価格相応かなと思います。
期待値が大きかったこともあり、ハード面で価格以上の驚きは特にありませんでしたが、接客が丁寧で心地よく過ごせましたし、眺望も想像どおり素晴らしかったです。
個人的には、客室露天風呂からの眺めや外の喧騒、鳩の糞害が少し残念でした。でも姉妹館の大浴場が利用できたので満足しています。
客層は30~60代のご夫婦や親子が多く、落ち着いた雰囲気で良かったです。

大人向けのいい旅館でした
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