環境に優しいエコ洗剤として、口コミで評判のがんこ本舗【海へ…step】の実力を徹底検証。
すすぎゼロで本当に大丈夫か?少量でも汚れは落ちるのか?
効果的な使い方・洗濯槽のカビの状態・実際に使って分かったメリット&デメリットと併せてご覧下さい。
海へ…とは?(特長と成分)
洗剤の特長
はじめに、公式サイトに記載されている海へ…stepの特長をまとめました。
①肌に優しく、赤ちゃんの肌着にも安心して使える
→ パッチテスト・アレルギーテスト済み
②易分解性洗剤&少量で汚れが落ちる為、環境に優しい
→ 「環境中の微生物によって、全成分の70%が21日間で生分解(水と炭酸ガスに分解)される」と証明されている
→ 界面活性剤を微粒子化し、少量でも優れた洗浄力を発揮
③すすぎゼロで済む為、節水&時短になる
→ 再付着防止剤の効果で、汚れが衣類に再付着しにくい
④おしゃれ着洗いOK&柔軟剤不要で、洗濯がこれ一つで済む
→ ドライマーク品も洗える、ふんわり仕上げの中性洗剤
⑤優しいラベンダーの香り
→ ラベンダー精油は抗菌性がある為、部屋干しでもニオイが気にならない
この中で私が興味を持ったのは、少量で汚れが落ちる&すすぎゼロという点です。本当かどうか、後程じっくり検証していきます。
洗濯槽や排水パイプのクリーナーが不要になるとの記載も
洗剤の成分
続いて、気になる海へ…stepの成分をご紹介します。
パッケージの裏面を確認すると、洗浄成分に合成界面活性剤が使用されている合成洗剤のようです。
- 高級アルコール系=ココヤシ主体(50%未満〜10%の範囲でパームヤシを混合)
- ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド=ココヤシ
界面活性剤とは、油と水を結び付けて汚れを落とす作用を持つ物質の総称。
たくさんの種類があり、微生物による分解速度が早いものほど環境への負担が少ないと言われています。
◆天然界面活性剤(自然界に存在):石鹸
◆合成界面活性剤:合成洗剤
- 植物由来の合成界面活性剤:ココヤシなど天然の原料
- 石油由来の 〃 :石油系の原料
※天然油脂が原料でも、複雑な化学合成を繰り返すと、石油由来と同様の自然界には存在しない合成界面活性剤となる。
無添加と呼ばれる石鹸にも界面活性剤は含まれています
石鹸は分解速度が速いというメリットがありますが、石鹸カスが出る・キシキシするなど・扱いやすさでは合成洗剤に劣ります。(意外と肌への刺激も強い)
合成洗剤は扱いやすくて便利ですが、石鹸と比べて分解に時間が掛かる為、環境へ悪影響を及ぼす恐れが。
とはいえ、海へ…stepは通常の合成洗剤と比べて界面活性剤の量が約7分の1なので、これで汚れ落ちに問題が無ければ環境への負担はグッと抑えられるはずです。
こうして本来表示する義務の無い成分(含有量が1%未満の成分)まで、きちんと自主開示している点に企業の誠実さを感じます。
イメージだけで洗剤を購入するのではなく、必ずパッケージ裏面の成分を確認しよう!
海へ…の効果的な使い方(洗濯方法)
海へ…stepの使い方で、個人的に最も効果があると感じたのはつけ置き洗いです。(今回の検証も全てつけ置き洗いで行っています)
※公式サイトがオススメしているつけ置き洗いとは、洗濯物を入れる順番が異なります。
▼ 使用する洗剤の量は、洗濯物6kgに対してたったこれだけ
洗濯物を入れる前に、水と洗剤をしっかり混ぜ合わせます。
繊維にとって水そのものに刺激があり、縮みやダメージの原因となるので、水→洗剤→洗濯物の順に入れると良いそうです!
▼ こちらの本が参考になりました
想像していたよりも、しっかり泡立つな~と思いました。
あとは洗濯物を入れて2~3分回し、2時間以上つけ置きした後、洗濯機を再スタートするだけ。
公式サイトによると、つけ置きすることで“洗い”が終わっているので、再スタート時には省いても大丈夫だそう。
ちなみにラベンダーの香りは、最初は「洗濯中に漂ってくる香りが結構強いな~」と感じましたが、慣れると気にならなくなりました。乾くと香りはほとんどしません。
我が家は就寝中につけ置き洗いしています。効率的で翌朝がラクになるのでオススメ
本当にすすぎゼロで大丈夫?
公式サイトによると、海へ…stepは衣類から剥がれ落ちた汚れの再付着を防ぐので、すすぎゼロでも従来品(すすぎ1回)と同等の洗浄力があるとのこと。
※但しドラム式は少ない水量で洗う(=洗剤が濃くなる)為、すすぎ1回が推奨されています
何度かすすぎゼロを試してみましたが、洗い上がり(濡れた状態)の洗濯物を手に取った時に「あれ?何だか表面がツルっとしてる?」と、手触りに少し違和感が。
部屋干しするといつもより臭うことも気になりました。汚れ落ちはすすぎ1回と大差ナシ。
洗濯物が乾くと手触りもニオイも気にならなくなるので、私が敏感過ぎるのか、ただの思い過ごしかも知れません。肌が痒くなるなどのトラブルはありませんでした。
楽天などのレビューを拝見すると「すすぎゼロでも全く問題なし!」という方が多いようです。
すすぎゼロだと、すすぎ1回と比べて洗濯時間が大幅に短くなるので、忙しい朝には本当に嬉しいですよね。
とりあえず我が家ではすすぎゼロは急いでいる時だけにして、普段はすすぎ1回にしようと思います。
僕には手触りの違いは分からなかったな~
すすぎゼロでもOKと思えるかは個人差があるかも
汚れやニオイが落ちるか検証
本当に少量で汚れやニオイが落ちるのかどうか、実際に洗濯して検証しました。
単品使いはもちろん、海へ…stepは洗濯補助剤との併用も可能なので、色々な組み合わせで洗っています。
- 夜~翌朝まで8時間以上のつけ置き洗い
- 翌朝の“洗い”は約4分、すすぎ1回
- 天気が良い日に外干し
- (洗濯補助剤を併用する場合でも)洗剤の使用量は同じ ※本来は減らしてOK
- 汚れは子供の靴下、ニオイは夫のタオル&肌着でチェック
※柔軟剤は使用していません
※検証を始める約10日前に洗濯槽を清浄済み
洗剤のみ
まずは、洗剤のみで子供の汚れた靴下の汚れ落ちをチェックします。
▼ 洗濯前の状態。お目汚し失礼致しますm(__)m
片方は汚れたまま、もう片方は石鹸で部分洗いしてから洗濯機に入れました。(黒い糊のような部分は両方とも落としました)
▼ 汚れ落ち検証の結果
うーん、部分洗いなしだとあまり汚れが落ちていない印象です・・。
ちなみにソースや油がはねたシミ、歯磨き粉の汚れも落ちませんでした。
しつこい汚れは、事前に部分洗いやシミ抜きをした方が良さそうですね。
※靴下での汚れ落ちの検証結果は、どの洗濯補助剤との組み合わせでも大差が無かったので以降は割愛します
続いて、洗剤のみで夫のタオル&肌着のニオイ落ちをチェックします。
▼ ニオイ落ち検証の結果
洗濯直後 | 乾燥後 | ニオイ戻り | |
夫のタオル | 臭う | 臭わない | あり |
夫の肌着 | やや臭う | やや臭う | - |
洗濯直後のタオルは、鼻を近付けなくても臭いました。乾いた後は気にならなくなったのですが、入浴後に濡れた体を拭くとニオイ戻りが・・。
肌着は、乾いた後も脇部分に汗のニオイがやや残っている結果となりました。
オトコ臭はニガテなのかな・・?
洗剤+マグちゃんを併用
続いては、洗たくマグちゃんと併用。
マグネシウムは水と反応するまでに時間が掛かるので、つけ置き洗いがベストだと思います。
▼ ニオイ落ち検証の結果
洗濯直後 | 乾燥後 | ニオイ戻り | |
夫のタオル | やや臭う | 臭わない | あり |
夫の肌着 | やや臭う | やや臭う | - |
タオルのニオイは少しマシになったような?肌着のニオイは単品使いと変わらず。
洗剤+セスキを併用
続いては、酸性の汚れに強いセスキ(50mlに大さじ2杯)と併用。※重曹でもOK!
セスキは水に溶けやすいので、そのまま洗剤と一緒に入れても大丈夫です。(重曹は冷たい水だと溶けにくいので注意)
▼ ニオイ落ち検証の結果
洗濯直後 | 乾燥後 | ニオイ戻り | |
夫のタオル | やや臭う | 臭わない | あり |
夫の肌着 | やや臭う | やや臭う | - |
前述の洗たくマグちゃん(マグネシウム)併用の場合と、ほぼ同じような結果でした。夫のオトコ臭はなかなか手強いですね。
洗濯補助剤を併用する場合、本来は洗剤の使用量を減らしてOKのようです
洗剤+クエン酸を併用
最後は、アルカリ性の汚れに強いクエン酸(50mlに大さじ1~2杯)と併用。
我が家ではクエン酸をぬるま湯で溶かしてから、洗剤と一緒に入れています。
▼ ニオイ落ち検証の結果
洗濯直後 | 乾燥後 | ニオイ戻り | |
夫のタオル | 臭わない | 臭わない | なし |
夫の肌着 | 臭わない | 臭わない | なし |
今回の組み合わせの中で最も消臭効果が高かったです!
夫のタオル&肌着が濡れた状態でも全然臭わない!入浴後に使用してもニオイ戻りが無い!これは感動しました。
オトコ臭にはセスキが良さそうだと思っていたのですが、我が家の場合はクエン酸が相性抜群だったようです。
自分でも全然臭わなくて感動~!!
洗濯槽のカビはどれくらい?
清浄1回目
カビの画像が出てきます。小さくしてぼかしていますが、苦手な方はご注意下さい。
海へ…stepを20日間使用した後、過炭酸ナトリウムで洗濯槽を清浄してカビの状態をチェックしました。
槽洗浄コースを選択して、過炭酸ナトリウム(500g)を一気に洗濯機へ投入。
▼ こちらが洗濯槽のカビの状態です。お目汚し失礼致しますm(__)m
たくさんカビが発生していました!お恥ずかしい。
心なしか、以前使用していた緑の魔女よりもカビが多いような?20日間ではまだよく分かりませんね・・。
清浄2回目
更に1ヵ月後、再び過炭酸ナトリウムで洗濯槽を清浄してカビの状態をチェックしました。
▼ 左が洗浄中・右が脱水した後の状態です。
うーん、相変わらずカビがたくさん発生しているような・・。
個人的には、洗濯槽のカビについては一般的な洗剤と同レベルかな?と思いました。
洗濯槽のカビを抑えたい場合は他の洗剤が良いかも
1回あたりのコストは?
洗浄力はもちろん、毎日使うモノなのでコスパも大事ですよね。洗濯1回あたりのコストをチェックしました。
海へ…step以外は、柔軟剤を使用している計算になっています。
私は大容量サイズがある、緑の魔女やミヨシ石鹸そよ風に慣れているので、少し高く感じてしまいますが、1回あたり60.9円であれば継続可能だと思います。(洗濯補助剤を併用する場合はもう少し高くなる)
ちょっと高くても、環境への負担を少しでも減らしたいな
海へ…のメリット&デメリット
マグネシウム洗濯に代わるエコ洗剤として海へ…stepを試しましたが、やはり環境への負担の少なさと、汚れやニオイがよく落ちることを両立させるのは難しいようです。
環境保護だけを考えれば水だけで洗濯するのが一番ですが、現状ではなかなか厳しいです。
界面活性剤は、食器洗剤・シャンプー・歯磨き粉・化粧品などにも含まれていますし、もしそれらを全てやめたとしても、マイクロプラスチックなど別の問題が残っています。
我が家では「環境問題は自分の出来る範囲で無理せずに取り組めば良い」と思うことにしました。
何事も快適でなければ続かない