奥湯河原最古の旅館として有名な青巒荘。滝を眺めながら温泉を楽しめる野天風呂は一見の価値あり。
昭和レトロな雰囲気を守りながら、和食中心のビュッフェや子連れに嬉しいサービスを取り入れている、バランス感覚に優れた宿です。しかも凄くリーズナブル!
奥湯河原 青巒荘 宿泊記(口コミ)
外観・館内
ふと「温泉に行きたいな~」と思い立ち、ずっと気になっていた青巒荘さんへ。
創業より間もなく100年を迎える奥湯河原最古の宿で、私の祖父も若い頃に宿泊したことがあるそうです。
歴史を感じる建物ですが、昭和レトロがお好きな方にハマると思います。
最近はこうした趣のある宿を探すことが楽しくて。個人的には素敵な旅館だなと感じました。
館内は一部リニューアルされたようで、掃除も行き届いており、清潔感があって好印象。
私が宿泊した日は50~60代のご夫婦や、小さなお子さんを連れたご家族が多かったです。
子供用の遊具が設置されたキッズスペースがあったり、乳幼児も大浴場を利用できたり、子連れに優しい宿だなと思いました。
大人だけでゆっくり寛ぎたい場合は、なるべく平日の宿泊がオススメかも?
大浴場では他のお客さんとほとんど会いませんでしたが、食事処はワイワイ賑やかな雰囲気です。
売店の前の廊下には、旅館と湯河原温泉の歴史を知ることができる写真展があり、足を止めて見入ってしまいました。
当時未開の地であった湯河原で温泉を掘った人物・高知尾 健次郎氏が創始者だそうで、日本海軍の仮療養所として使われていた時代もあったようです。
奥湯河原最古の宿の歴史を感じました
部屋
今回は本館和室(本間8~12畳+広縁)に泊まりました。部屋風呂が無いタイプです。
昭和の雰囲気をそのまま残した、ホッと落ち着く空間。畳を替えたばかりだそうで、い草の良い香りが漂っていました。
これこれ!こういうシンプルな部屋で充分なのです。近くに流れる川の音に癒やされながら、のんびり過ごせました。
気になった点は、洗面台にハンドタオルが用意されていなかったこと、お手洗いの壁紙の経年劣化が目立つことくらいかな。あと眺望は屋根しか見えなくてイマイチでした。
青巒荘には別館や新館もあるのですが、本館が最も大浴場に近いので、何度も温泉に入りたい方にはピッタリです。
▼ 別館和室
別館の『ときわ』『見晴』は庭園に面していて、部屋の窓から季節に応じた景観を楽しむことができます。
スタンダードな別館和室も、源泉の部屋風呂付き。部屋で温泉を楽しめるなんて贅沢~!
▼ 新館和室
こちらも源泉の部屋風呂付き。宿泊プランを調べたところ、部屋食プランは新館が多かったです。
次回は景観が楽しめる部屋に泊まってみたいな
仙境野天風呂・竹林の湯
青巒荘の名物である、源泉かけ流しの露天風呂ならぬ野天風呂へ。
情緒のある赤い桟橋を渡って、川の向こう岸へ向かいます。
野天風呂は2箇所あり、男女入れ替え制です。奇数月と偶数月で男女の利用時間が逆になるのが特徴。
どちらも洗い場が無い為、マナーとして大浴場で体を洗ってから入浴するのがオススメ。(脱衣所はあります)
この滝は、創始者・高知尾 健次郎氏によって人工的に作られたものだそう。凄い・・!
滝が見られる仙境野天風呂は入口のドアを開けるとすぐに温泉なので、大きく開かないように注意が必要です。(入浴中の方がいるかもしれない為)
▼ 仙境野天風呂
なんと野趣あふれる温泉・・!
まるで滝壺にいるような、大自然の中にお邪魔させて貰っているような感覚に浸れます。
滝の目の前まで温泉が続いていて、ひんやりした空気とマイナスイオンを顔に浴びながら、リラックスした入浴タイムを楽しめました。
▼ 滝を背にするとこんな感じ
いやー、素晴らしい温泉でした。泉質も良く、お肌がすべすべに。仙境野天風呂を目当てに宿泊される方が多いのも納得!
「今まで入った露天風呂の中で1番かも」と家族も大満足していた様子でした。またゆっくり入りたいな~。
▼ 竹林の湯
もう一つの野天風呂は、こじんまりと落ち着いた雰囲気の湯。5名までとのことですが、先客がいると入浴するか少し気を遣う感じです。
私が入った時は貸し切り状態で、竹林を眺めながら至福のひとときを過ごせました。
あー、気持ちいい。迫力と開放感のある仙境野天風呂とは、また違った良さがありますね。
▼ 大浴場(女湯)
大浴場は入れ替え制ではなく、男女別に固定されています。
老朽化を感じる箇所もありましたが、私は気持ちよく入浴できました。中庭が見えると閉塞感が少なくて良いですね。
欲を言えば、こちらも源泉かけ流しだったら嬉しかったな~。
アメニティの化粧水は温泉を使用したもので、なかなか使い心地が良かったです。乳液もあるといいなと思いました。
あとドライヤーが1台しか無いので、混雑時は待ち時間が長くなるかもしれません。今後増えることに期待しています。
仙境野天風呂は、温泉好きなら一度は入る価値あり!
夕食ビュッフェ・朝食ビュッフェ
◆夕食ビュッフェ
青巒荘には部屋食(会席料理)もありますが、今回は“美食の和ビュッフェ”を選びました。
今年新しい料理長が就任したそうで、ビュッフェを利用した宿泊客のレビューは高評価ばかり。
食事処は明るく、近代的な雰囲気。和食中心の美しい料理がずらっと並んでいました。種類豊富でどれから食べようかワクワクします。
ビュッフェ定番の刺し身や唐揚げはもちろん、他ではなかなか見かけない手の込んだ一品料理もあり、料理長のこだわりを感じました。
画像右のライブキッチンでは、できたての料理を食べることができます。
料理人の皆さんが「こちらもいかがですか?」と勧めて下さるので、ついつい取りすぎてしまいました(笑)。
ブロガーにあるまじき、盛り付けセンス0の画像で失礼致します。いざ実食!
おお!どれも美味しい!
すみません。正直リーズナブルな宿のビュッフェって、選ぶ楽しさはあっても味はそこまで期待できない、と思っていたので嬉しい誤算でした。
どの料理も平均点以上に美味しかったです。(期待しすぎは禁物ですが)
唐揚げの衣はサクサクだし、豚の角煮はとろける口どけ。お造りのマグロは少し冷凍っぽさがあり、個人的にはイマイチだったかな。
私は特に『海老とアボガドのわさび和え』と『ムール貝のジェノベーゼマリネ』が好きで、何回もおかわりしました。正式名称はド忘れ。
1番ビックリしたのは、デザートの果物の甘さ!!
梨もパインも葡萄も、ぜ~んぶ甘くて凄く美味しい!こちらもおかわり(笑)。
ケーキは2種類、おはぎなどの和菓子もありました。デザートが美味しいってポイント高い。
▼ ちなみに部屋食の会席料理はこんな感じ
◆朝食ビュッフェ
朝食は、同じ食事処で再びビュッフェ。
うーん、我ながら盛り付けがヒドイ(笑)。
和ビュッフェなのでパン類はありませんでしたが、みそ田楽、ちくわの磯辺揚げ、筑前煮など私の好物が色々あって嬉しかったです。
サラダにかけるドレッシングは『みかんドレッシング』がイチオシ!
どの料理も美味しかったですが、特にライブキッチンの焼きたての鮭が美味しくて、またもやおかわり。レビューによると、あじの開きの日もあるようです。
夕食に引き続き、デザートは果物がいっぱい。
昨日は無かったキウイやコーヒーゼリーもありました。バナナやヨーグルトがあると更に嬉しいな~。
あと個人的には、健康の為に毎朝飲んでいるトマトジュースがあって嬉しかったです。
和ビュッフェは家族旅行やグループ旅行に◎
奥湯河原 青巒荘のオススメ度
100年の歴史を誇る奥湯河原最古の宿ですから、もちろん老朽化が目立つ部分もありますが、それも味わいだと楽しめる古き良き旅館です。
個人的には「本当に1万円ちょっとで泊まっていいの?」と思いました。コスパ抜群で、家族旅行やグループ旅行に最適ではないでしょうか。
公式HPに記載されている「古いものを磨き残すことを信念に」という言葉どおり、和ビュッフェなど新しい要素を取り入れながら、日本の温泉旅館文化を守っている素晴らしい宿だと思います。
建物の古さが気にならない方にオススメ!