知る人ぞ知る小さな人気宿。箱根に名旅館は数あれど、こんなにリーズナブルな価格で温泉と美味しい創作料理を堪能できる宿はなかなかありません。
リピーターが多いことに納得がいく、満足感のある滞在となりました。にごり湯好きにオススメです。
湯屋やまざくら宿泊記(口コミ)
外観
今回お世話になったのは、湯屋やまざくらさん。
箱根ラリック美術館からすぐの場所にあります。
旅館というより民宿やペンションに近い小さな宿ですが、温泉好きから人気があってリピーターが多く、なかなか予約が取れないことで有名です。
実家の母にいつもお世話になってばかりなので、たまには親孝行したいと思い、招待しました。
駐車場は本館の前と裏手にあります
館内
玄関は本館2階、右手には食事処がありました。アットホームな雰囲気が素敵です。
階段を降りて、1階のラウンジでチェックインします。
冷水&ハーブティーのサービスがあり、夜に訪れた時はここから庭に出て涼んでいらっしゃる方もいました。冬は暖炉で暖まれるそうです。
「自宅のリビングからこんな景色が見えたら最高だね」と母。
我が家にもこんな素敵な庭が欲しい
部屋(あやめ)
今回は本館2階にある、和室8畳の“あやめ”に泊まります。
昔ながらのシンプルな間取り。部屋にお手洗いはありますが、浴室はありません。
入室した直後は硫黄のような匂いが少し気になりましたが、慣れれば問題ありませんでした。
奥の窓からは緑と川が見えます。あとマンションも(笑)。
翌朝は鳥のさえずりで気持ち良く目覚めました。なんという贅沢!
これだけでも箱根に来た価値がある気がします。自然の中で過ごすって最高ですね。
今回はこちらの部屋しか空いていなかったのですが、他には和洋室のなの花、温泉付きの都わすれ、内風呂&露天風呂がある別棟のはなれなど、全6室あります。
特に予約で激戦なのは、都わすれとはなれ。狙い目は平日ですが、休日に利用したい場合は3ヵ月前からの予約をオススメします。
今度は“はなれ”に泊まりたいな
野天風呂(貸切風呂)
貸切風呂は予約制だと伺っていたのですが、訪れた日は空いていれば自由に入浴してOKとのことでした。
まずは一番人気の野天風呂・かわせみへ。
暖簾の横にある木札を裏返して“湯ったり中”にしてから入ります。脱衣所の内鍵を閉めることを忘れずに。
貸切風呂は全部で3ヵ所ありますが、こちらの脱衣所が一番広いです。ちなみに大浴場はありません。
洗顔料・メイク落とし・化粧水などは無いので、必要な方は持参しましょう。
野天風呂へと続く扉を開けた瞬間・・。
わっ!キレイな色!!
と思わず声に出てしまう程、美しいミルキーブルーの温泉が現れました。
大涌谷の濃いにごり湯に青空が溶け込んでいます。(硫黄泉、夜や翌朝は乳白色)
はーーー!!最高っっ!!!
源泉かけ流しの温泉をゆったり脚を伸ばして満喫しました。硫黄の匂いが肌に染み込んでいくようです。日頃の疲れが吹き飛びました。
ちなみに夜になるとかなり暗いので、昼間か翌朝の入浴がベストです。
今回は予約制ではありませんでしたが、予約制の場合はチェックイン順に入浴する時間帯を決められるそう。
にごり湯好きには堪らない温泉でした!
内風呂(貸切風呂)
続いて内風呂・せせらぎへ。
窓がひび割れているなど施設の老朽化は否めませんが、野天風呂と同じ濃いにごり湯をじっくり楽しめます。
湯から上がった後もずっと身体がぽかぽかしていて、温泉の効能を感じました。
もう一つの内風呂・こもれびへ。
私は利用しませんでしたが、前述のせせらぎよりも少し狭いかな?
内湯の入口付近にウォーターサーバーがあるので、入浴前と入浴後に水分を摂るのがオススメ。
浴槽の底から湯の華が掬えることもあるとか
夕食・朝食
◆夕食
食事は朝・夕ともに本館2階の食事処にて。
お品書きが無かったので正式な料理名は不明ですが、右のごぼう野菜チップスが黒酢ソースと相性抜群で美味しかったです。
左のとうもろこしのムースの中に茄子が入っていて驚きましたが、これが意外と合う!自分では思い付かない組み合わせで新鮮でした。
名物のクレソン蕎麦が早くも登場!
この蕎麦目当てでいらっしゃる常連さんも多いそうです。
アンチョビガーリックのパンチのある香りとクレソンの苦味が効いていて、イタリア料理のような味付けでした。蕎麦にこんな食べ方があったとは。
夕食で一番ビックリしたのが、こちらの桃の冷製ポタージュ。
スープというより、デザートのような感覚でした。桃をポタージュにする発想が独創的で面白い!
お刺身は甘口醤油でいただきます。
バラの形が可愛い~!料理を目でも楽しんで貰おうという心遣いが嬉しいですね。
とうもろこしと茄子の揚げ物を食べた後、餡かけ茶碗蒸しが登場。
ここでだいぶお腹がいっぱいになってきました。食いしん坊も大満足のボリューム!
続いては牛肉のたたき。仲居さんが目の前で炙って下さいました。
うーん、こちらは味付けがもう少し濃い方が好みだったかな。お肉大好きなので辛口評価です。
締めはあさりの豆乳鍋。
こちらの土鍋はテーブル毎に全てデザインが異なっており、食事処の入口脇で販売されていました。(伊集院真理子さんの作品)
他の食器も味わい深いモノばかり。どうやら食器にこだわりのあるオーナーさんのようです。
じゃこご飯と一緒に。夏に鍋という発想がありませんでしたが、あっさりした口当たりにあさりの旨味を感じて美味しかったです。
食後のデザートは葡萄ゼリー。
もう腹十二分目くらいだったので、さっぱり系は有り難い(笑)。
正統派の会席料理も好きですが、このような工夫を凝らした創作料理も楽しいですね。
◆朝食
夕食時は真っ暗で何も見えませんでしたが、朝食時は窓いっぱいに緑が広がっていました。
色とりどりの小鉢が並べられ、見た目にも美しい。おしゃれな和風カフェのランチみたい。
黒豆の納豆は初めて食べましたが、普通の納豆より甘味があって美味しいかも。
朝食といえばお馴染みのアジの干物も。何度食べても飽きない味。ダジャレ?
締めは山芋チーズ豆腐グラタン。
結構こってりしていて、朝はあっさりした湯豆腐の方が嬉しいな・・と思いました。贅沢でごめんなさい!
最後にコーヒーor紅茶のサービスがありました。
母が「創作料理のアイデアが斬新で美味しかった」と言ってくれたので、良かったです。
どちらかというと、女性ウケする料理が多かったかも知れません。ボリュームは男性でも満腹になると思います。
見た目も味も楽しめる創作料理でした♪
湯屋やまざくらの周辺観光情報
宿から徒歩3分の場所に、箱根ラリック美術館があります。
ラリック氏は、19~20世紀に活躍したフランスのガラス工芸家。
館内には香水瓶やブローチなど彼の美しい作品や、モネの絵画『睡蓮』をイメージした庭があります。
母と敷地内にあるレストランでランチ。(食事のみの利用もOK)
落ち着いた雰囲気で、美術館の庭を眺めながらゆっくりと食事を楽しめました。
箱根火山のカルデラ湖である芦ノ湖へは、宿から車で約23分。
久しぶりに海賊船を見ました。乗船するより、こうして遠くで眺めている方が好きです。
他には仙石原すすき草原が宿から車で約5分と近いので、すすきのベストシーズン(9月下旬〜11月上旬)であればぜひ立ち寄ってみて下さい。
淡い金色の草原がナウシカみたいで美しいです
湯屋やまざくらのオススメ度
雲見温泉の民宿に泊まってから、リーズナブルな価格で満足感のある小さな宿にすっかりハマってしまいました。
湯屋やまざくらさんは評判どおりの良い宿で、連れて行った母にも喜んで貰えたと思います。
昔から温泉好きで箱根の旅館はほとんど泊まり尽くしたと思っていましたが、こんな人気宿を見逃していたとはまだまだですね(笑)。
小さな宿ならではの魅力に開眼!