先日40歳の誕生日を迎え、母からSEIKO クレドールの腕時計を譲り受けました。
亡き祖母の形見で、祖父とのペアウォッチだったものです。
何十年も昔のものなのに、佇まいが凛として美しい。本当に素晴らしいデザインは時を重ねても色褪せないのだ、と改めて実感しました。
しかし長い間使っていなかったせいか、針の進むスピードがゆっくりで、何度時間を合わせてもいつの間にかズレてしまいます。
その時計らしからぬマイペースな様子に、おおらかな性格でいつもどーんと構えていた祖母の姿が重なり、「せかせか生き急ぎなさんな」と言われている気分になりました。
母に修理の相談をしたところ、「えー、修理代で新しい時計を買ったら?形見だからって気負わなくていいのよ」と(笑)。
さっぱりした母らしい意見だなと思いつつ、修理してもらうために専門店で見てもらったところ、もうメーカーに部品の在庫が無い可能性が高いそうで。
まぁそれもいいか。私はこの腕時計に「正確な時間を知るためのものさし」としての役割は求めていないし、と諦めることに。
そもそも私は時計そのものにあまり関心が無く、過去にカルティエの高級時計を手放した経験もあります。
そんな私がこの腕時計を譲り受ける日を心待ちにしていた理由は、かすかに祖母の面影を感じられるから。おばあちゃんが大好きだったからです。
よし、ブレスレットとして大事に使おう!
そう決めた途端、不思議なことにクレドールは正確な時間を刻み出しました。
「もういっちょやるか~!」という元気な祖母の声が聞こえてきたような。また急に針が遅くなるかもしれませんが、それも面白くていい。
▼ 時計と合わせたブレスレット
これで祖母の形見の品は、30代で受け継いだオパールの指輪を含めて、2つになりました。
指輪も腕時計も傷だらけですが、それがヴィンテージにしか醸し出せない味わいであり、祖母が長年愛用していた証なのだと思っています。
指輪はお守りとして、人生初の一人旅にも持って行きました。
腕時計はアクセサリー感覚で、これから日常的にどんどん使っていくつもりです。
カルティエは手放しましたが、この腕時計は壊れて動かなくなっても、きっと生涯手放さないでしょう。もし子供達が欲しがったら譲りますが。
今までは祖母と、これからは私と、一緒に大切な時を刻んでいこう。
「30代は20代より楽しい、40代は30代より更に楽しい」と噂で聞いたので、これからの人生が凄く楽しみです。
40代も楽しんでいこ~!