心身共に身軽な状態で老後を迎えたい方へ。老前整理をほぼ終えた60代母が手放したものをご紹介します。
部屋の片付けやモノの処分は面倒ですが、母いわく「人生で今が一番若い時。体力と気力があるうちに済ませておけば、将来の自分がラクになる」そうです。
※読者の方に分かりやすいように、本文の語り部は母本人にしました。
食器棚、趣味と合わない食器

結婚当初から使い続けている、背の高い食器棚を上下に分けて半分の高さにしました。
それまでは上段にある食器が取りづらくて使わないまま眠らせてしまうこともありましたが、現在は全ての食器に手が届くようになり、使い勝手も使用頻度もアップ。
背伸びをして転倒してしまう心配もありません。

引き出物で頂いた自分の趣味と合わない食器は潔く手放し、本当に気に入っている食器やよく使っている食器だけを残しました。
年齢を重ねるにつれて、うっかり手を滑らせて割ってしまうことが増えたので、近所で気軽に購入できるノーブランドの食器が多いです。
小皿・小鉢・グラスなどは100均の収納ケースを使って、奥にあってもサッと取り出せるように工夫しています。

今後は食器を更に減らしていく予定です
▼ お皿を立てて収納するならこちら
▼ お碗の収納はこちら
カトラリー、調理器具

たくさんのカトラリーを持っていましたが、現在は来客用をほとんど手放して、家族の分だけの必要最小限に近い数になりました。
収納方法は、カトラリーが動かないように抗菌すべり止めシートを敷いて、その上にただ並べて置くだけ。
浅い引き出しに収納することで、自分が何をいくつ持っているか一目で分かるようにしています。

調理器具も同じく必要最小限まで減らしました。画像右下の重い鍋も今後手放す予定です。

カトラリーは軽量タイプに総入れ替えしました
炊飯器、トースター

炊飯器の買い替えを検討していた時に、たまたま引き出物でセラミック鍋を頂き、試しにそれで炊いてみたら、お米がふっくらもちっとして本当に美味しくて。
浸水さえしておけばあっという間に炊きあがるし、炊飯器よりも細かいパーツが無くて片付けがラクなので、私にはとても合っていました。
ちなみにトースターも手放し、魚焼きグリルで食パンを焼いていますが、こちらも特に問題ありません。

火の消し忘れが心配になったら、また炊飯器に戻します
分厚いカーテン

洗濯と取り付け・取り外し作業が大変なカーテンをやめて、目隠し用のガラスフィルムに替えたところ、手間いらずでストレスが激減しました。
冬は寒くないか少し心配でしたが、雨戸があるので意外と何とかなっています。
外からの視線が気になってカーテンなし生活に抵抗のある方は、ガラスフィルムに薄いレースカーテンをプラスするといいかもしれません。

霧吹きして貼るだけ&剥がせるので賃貸でもOK
▼ 母が購入したのは『L041』です
埃が出るカーペット

敷物があると埃が出るので、毎日の掃除機がけが面倒に感じてやめました。玄関・リビング・キッチン・トイレなど家中の敷物ほとんど全部です。
敷物がなければフローリングワイパーで済むため、掃除機がけよりも手軽に短時間で終わるようになりました。
リビングは、冬のみ厚手の保温アルミシートをこたつの下に敷いています。

重い掃除機を出して⇒使って⇒しまう手間を解消
重い風呂蓋

重いうえにカビが発生しやすくて掃除が大変な風呂蓋をやめて、厚さ約1.5cmのアルミ保温シートで代用しています。
とても軽いし、メンテナンスは風呂上がりに干しておくだけなので掃除の手間がかかりません。保温機能は2~3時間程度であれば問題なし。
耐久性に欠けるので定期的に新品と交換する必要がありますが、両端の汚れやすい部分を少しずつカットしていけば長く使えます。

厚手で折り畳めるタイプがオススメ
▼ 浴室用もあります
嫁入り道具の桐のタンス

両親が娘である私の幸せを願って贈ってくれた、嫁入り道具の桐のタンス。
結婚してから長年大切にしていましたが、中にしまっていた着物と一緒に思い切って手放しました。
上半分はテレビ台にリメイクし、息子の部屋で活躍しています。

両親も手放すことを分かってくれると思います
本棚、読み終えた本

リビングの本棚にたくさんの本を収納していましたが、何度も読み返したくなるような本だけを厳選して、収納ボックスにもなるスツールへ移しました。
地震で本が頭上に落ちてきてケガをしたり、大きな本棚の下敷きになったりする危険を回避。
上にクッションを敷いてソファー代わりにしています。

疲れたらこの上で昼寝しています
PCデスク

デスクトップPCが古くなったタイミングで、リビングの一角を占拠していたPCデスクを一緒に手放しました。
新しく購入したノートPCは薄くて軽く、どこへでも持ち運んで作業ができるため、専用デスクは必要なさそうです。

PCデスクは夫が小屋で調理台として再利用
衣装タンス

衣装タンスを減らし、押入れに市販のハンガーパイプを取り付けてクローゼット代わりにしています。

上段にはオンシーズンの服を、下段にはオフシーズンの服を収納。ハンガー収納で手持ち服を可視化すると管理しやすくてオススメです。
押入れ内の隙間に、湿気対策として半永久的に使える炭八を置いています。

一部の押入れは、扉を取り外して白いシアーカーテンにチェンジ。
扉が無くなったことで中のモノを取り出しやすくなり、じめじめした雰囲気から開放的で明るい雰囲気になりました。

老後に向けて大きな家具を減らしています
▼ バッグの収納に便利な棚付き
今の自分に合わない服

“服を1年間買わないチャレンジ”をした結果、毎日着たくなるような服は意外と少ないことに気付き、服の総数を3分の2近くまで減らしました。
現在のワードローブは、着心地が良くて・手入れがしやすくて・ライフスタイルに合っている、“今の自分にとって心地良い服”ばかり。
チャレンジを通して自分にとっての必要最小限が分かり、「この枚数でも問題なくやっていける」という自信に繋がりました。

クローゼットの稼働率が100%に
ファンデーション、高い基礎化粧品

日常的に使っているコスメは、日焼け止めパウダー・アイブロー・リップクリームのみ。
スキンケアも、ナイアシンアミドクリームとオリーブオイルを中心とした、ごくシンプルなお手入れです。

昔はファンデーションや高い基礎化粧品を使っていましたが、美容皮膚科に通うようになってから全部やめました。

私には高級化粧品より効果がありました
▼ 長年愛用している日焼け止めパウダー
子供達の思い出の品

子供達の思い出の品は本人達にどうするか相談して、引き取ってもらうか、処分するか、残すか決めました。
最終的に手元に置いておくのは、親である私が残しておきたいモノだけにして、それ以外は収納スペースではなく、記憶の中に大切にしまっておけばいいのかなと思います。
私の場合、ランドセルだけは子供達の小さい頃の面影がよぎって手放せなかったので、業者に手のひらサイズにリメイクしてもらいました。

大切な思い出の品はカタチを変えて残しています
▼ お財布にしてくれるサービスも
写真、アルバム

自分が亡くなった後に気に入らない写真が残るのはイヤだなと思い、各シーンでとびきりの1枚だけを残して、あとは全部処分しました。
写真の処分はとても大変な作業ですが、いつまでも後回しにしていると、それを他の誰かに代わってもらうことになります。
自分が持っている写真も捨てづらいのに、人が遺した写真はもっと捨てづらいと思うので、できれば自分で責任を持って整理したいところです。

年間ベスト10枚にすると更に枚数が減らせるかも?
おわりに

50代・60代は、老後について真剣に考え始める時期。
この先の自分の暮らしをイメージした結果、私はモノよりも快適に過ごせる空間と自由な時間が欲しいのだと気付きました。
心身共に身軽な状態で老後を迎える為にも、子供達に迷惑をかけない為にも、体力があるうちに少しずつ老前整理を始めて良かったです。

年齢を重ねるごとに部屋も心も軽く
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